アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

大乗仏教と「大丈夫っ教」

●あなたは神を信じますか?神を信じることだけが宗教なのではありません。宗教は、その人の見方、感じ方、価値観、判断などあらゆるものを規定します。日本人の行動パターンは『法華経』によって規定されています。多くの人は法華経を読まずともその内容を知っており、そのことは読めば分かります。

大乗仏教とは「大丈夫っ教」です。古来より日本に伝わり最重要とされた経典『法華経』には「民衆に本当のことを伝えても意味が理解されず、何が起きても大丈夫だと伝えることが重要だ」と言うように書いてあります。現代の「直ちに影響はない」「パニックを恐れて」などもまさにこの系譜にあります。

芸術における技能とは何でしょう?「私には英語の技能がある」と言う人は英語についての単語や文法や会話などをマスターしています。芸術の技能も同じで、芸術に特有の単語や文法や会話をマスターする事が必要です。これはハインリッヒ・リュッツェラー『芸術への道』の受け売りです(笑)

芸術家のフリをする人の正体は何でしょうか?それは「人間」です。芸術家は人間ではありません。芸術家に限らず、評論家も、哲学者も、科学者も、政治家も、あらゆる専門家はある意味で人間を捨て人間を超えた存在です。フリをする人は何の専門家にもならず「人間」にとどまっているのです。