アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

見る存在と見られる存在

見ることは見られることの裏返しです。
自分が世界を見ていると同時に、自分は多数の目線によって見られています。
部屋に引きこもって生活していている引きこもりも、基本的には同じです。
そうでなければどうして彼らは言葉を理解できるのでしょうか?

あらゆる動物は、見ると同時に、いや見る以前に見られる存在です。

多くの昆虫は実に巧妙に擬態していますが、それ等は全て昆虫自身の視覚を超えた精密度を持っています。

昆虫は鳥や獣などの天敵に向けて擬態をしており、つまり見るよりも前に見られる存在なのです。