アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

現象と法則

自分の心理的世界に生じる「現象」は、イメージとは似て非なるものです。イメージの中で人は空を飛ぶことも人を殺すことも自由です。しかし現実的には、人の肉体は空を飛ぶ能力を持たず、人を殺せば逮捕されます。そしてこのように現実的な法則こそが、実在ではなく「現象」として存在するのです。

あらゆる物理法則は実在ではなく「現象」として存在します。あらゆる法律による禁止も実在ではなく「現象」として存在します。「現象」はあくまで人間の知覚に生じる「現象」に過ぎませんが、その「現象」にあらゆる法則や禁止が含まれているのです。