アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

模倣と複製

世界は自分にとって、あらかじめ存在しています。世界にはあらかじめ他人が存在し、世界はあらかじめ他人が作ったもので埋め尽くされています。自分は他人の模倣をすることで、自らが他人の一員となり、世界の一部となります。

生物とは複製品です。カマキリはカマキリの模倣をして虫を捉えるのではなく、虫を捉える行動プログラムごと複製されています。カマキリは複製品ですが、模倣はしません。複製と模倣とは異なるのです。

カマキリは複製されるだけでカマキリになりますが、人間は複製されるだけでは人間になれず、他人を模倣をしなければ人間にはなれません。