アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

イデオロギーと錬金術

構造主義の「構造」はイデオロギーではありません。にも関わらず、これを取り違えている人が存在します。本来的に「構造」は「現象」の一つであり、現象に対する観察と調査によって、現象の内から取り出されます。そして、イデオロギーとは錬金術です。

イデオロギーとは錬金術です。金(きん)でないものに対し、その人が「これは金である」と信じ込めば、それはその人にとって金になるのです。イデオロギーには「現象」に対する観察や調査や反省が存在しません。これとは逆の働きによって、「金でないもの」を金に作り変える技がイデオロギーなのです。