アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

競争と必要

人は互いに競う必要のないところで競っています。フッサールが自然的な人間の態度を批判したことを受けて考えるならば、自然的態度の人々は競う必要のないところで競っているのです。もし自分が何か他人と競う感情を持つならば、それは自らの無反省な自然的態度によって、競っているに過ぎないのです。

自然的態度において人は互いに競います。たとえ自分が負けを認め相手に服従していても、その根本において競争の精神があり、だからこそ自分と同レベルの相手に対しては競争心を剥き出しにし、さらに自分が勝てると分かった相手には一切の容赦をしないのです。