アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

逆三角関係展Vol.18 5月19日(木)のお知らせ

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隔週の木曜日に開催しております一日展のシリーズ『逆三角関係展』ですが、今週の5月18日(水)は、糸崎公朗・颯田浩重・彦坂尚嘉 の3名による展示です。

時間は13:00〜21:00
場所は新宿の「竹林閣」です。http://chikurinkaku.jimdo.com/%E7%AB%B9%E6%9E%97%E9%96%A3%…/
19:00から音楽演奏、20:00から作家による自作解説もあります。

これまでの逆三角関係展は下記のページにまとめてあります。
http://gyaku-sankaku.zombie.jp/kitaibunshi/

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私の作品は『反ー反写真』から発展したシリーズで、モノクロ写真に、Photoshopによる調色を施しています。これは実は、私自身の色弱体質を反映した表現であるのです。

颯田浩重さんも写真家で、街中で撮影したカラー写真を展示します。颯田さんは2000年にカーレースをテーマにした写真でコニカプラザ(現コニカミノルタプラザ)で個展を開催されてますが、同じ年に私も個展『昆虫ツギラマ』を開催してたのでした。

彦坂尚嘉先生も写真作品で、テーマは花だということです。

以下、彦坂尚嘉先生による紹介文です。みなさまのお越しをお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

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写真作品の特集です。
写真家の颯田浩重さんの新作写真を展示することと、もう一つ糸崎公朗さんの写真を並べることを目的にしています。

糸崎さんの写真は、今までも幾つもの賞を取ってきているのですが、東京都写真美術館での日本の新進作家12に出品して、一つの
山を越えました。まあ、俗な言い方をすれば官のやる美術館で公認されたとも言えます。

そうした達成の後に、何をするのか? その答えの一つを展示してもらおうと思います。まあ、一般の観客の反応は期待できませんが、シリアスな写真への試みです。

それに対して、私はどうするのか、迷うのですが、まあ、シリアスな写真も用意はしているのですが、今回は止めておきます。もうちょっと暖めます。むしろ、通俗的な仕事というか、花の作品の探求で、FacebookではUpしている作品の出力をお見せします。《新奇》とか《特異》なものというのにも限界はあって、私自身は《通俗》とか《凡庸》というものに対しても、興味があります。この両者は拮抗していないと、硬直化するのですね。

形式的には展示販売という形式を取りたいですね。
なかなかできないものですから。

《前衛》というものが死んだという一般的な認識があります。それはしかし、今年の若い作家の作品を断片的に見ていると、誤解であることを感じます。ずいぶん前ですがASADAという若い作家と、小さなシンポジウムをやりましたが、レトロを答えとするとかいう回答は、私は素直にはとりません。

私の言葉ですと、《様態》ですが、新しさというものは、あるのです。そして古さというのもあるのです。今日が、以前のように水平に《未来》に向かって進行する《クロノス》という時間における新しさではなくなったのは確かです。しかしにもかかわらず、今度は、《逆アイオーン》という時間構造での新しさは成立してきているのです。

彦坂尚嘉