アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

作品と切り取り

作品とは何か?と言えば作品に仕上げようという意識がなければ作品にはなり得ません。昨日はGoogleストリートビューで世界各地を旅してましたが、そこで見るパノラマ画像は「作品」という意識で作られたものではなく、なので明確に「作品」とは異なっています。

Googleストリートビューが公開されてまもなくの頃、あらゆる「写真」はストリートビューからの切り抜きでしかなくなってしまった、と思ったのですが、そうではなくて、作品自体が「切り取る」ことによって成立するのです。

私は実に写真を始めるにあたってこの「切り取る」ということの意味が分からなかった。ですから「写真的切り取り」を回避したフォトモの技法を見出すのですが、しかしフォトモも結局のところ「写真」とは異なる仕方で世界を切り取り作品化していたのでした。