アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

才能と前提

私の言う「非人称芸術」は、「芸術は天才的才能の産物である」という定義が前提になっていたのだが、これは現在の私の中では否定されている。

確かに、この定義が実証されたような例が自分の身近で生じていたように思えたのだが、後で振り返ると自分が若い頃「天才だ!」と思った友人のことごとくが世阿弥の言う「時の花」すなわち若者に特有のぱっと花開く才能で、程なくして花が散るように無くなってしまうのである。

現に、私が羨ましがった才能あふれていた友人のことごとくが、アーティストにならず、作品制作をしなくなっているのである。