アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

充溢と空虚

自分と他人とは何が違うのか?と言えば、人は皆等しく空虚なのである。だから違いと言えば、自分が空虚であることを自覚する人と、自分は充溢していると思いなしている人の二種類とがある。

 

自分が充溢していると思いなしている人も、そのように全く思っていない人も、ともに空虚であることに変わりはない。自己確立している人も、自己がなく周囲に流される人も、ともに空虚であることに変わりはない。

 

自分が充溢していると思いなす人は偶像崇拝者だ。充溢しているものは偶像であり、偶像は充溢している。ところが偶像は空虚であり、空虚だからこそ偶像と呼ばれる。