アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

芸術とサブカルチャー

昨夜オン・サンデーズで行われた梅沢和木さんと筒井宏樹さんのトークは非常に面白かったのだが、梅沢さんはアニメやゲームや漫画などの影響を多大に受けていながら、現代アートをはじめとする美術の影響はほとんど受けて来なかった、という点がなかなか興味深い。

つまり梅沢和木さんはアニメやゲームや漫画などのサブカルチャーの影響を受けながら、作品としてはメインカルチャーであるところの現代アートを製作しておられる。これは私自身との問題とも重なるが、私もサブカルチャーの影響を多大に受けて来たのである。

サブカルチャーとは何か?と言えば、最近の私の認識ではひとつには左翼思想の産物なのである。だから梅沢和木さんのアート作品が何なのかと言えば、ひとつの見方としてこれは左翼系アートの系譜だと言うことができる。

いや本人は、自分は左翼思想なんか知らない、と言うかもしれない。しかしそれは私自身もそうであったのだが、左翼思想とは生まれ育った環境によって、自分が全く無自覚のうちに刷り込まれ染み付いてしまうようなものなのである。

それは例えば両親が創価学会の家に育った子供は自分が無自覚的に創価学会的な思想や感じ方に染まってしまうように、クリスチャンの家庭に育った子供が無自覚的にキリスト教的な思想や感じ方に染まってしまうように、現代日本の一般家庭に育った子供は多くの場合左翼的な思想や感じ方に染まってしまう

それは、自分がそうであってし、梅沢和木さんも例外ではないように私には思えたのであった。