アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

子供はなぜ勉強しなければならないのか・1

子供はなぜ勉強しなければならないのか?その理由はいくつか考えられますが、まず一つは「なぜ勉強しなければならないのか?」などと言う余計な疑問を持たないことです。

親や先生から「勉強しなさい」と言われ、「子供は勉強するもんだ」などと言われ、そのことに「なぜ?」と言う疑問を持たずに素直に勉強すれば、それだけ勉強がはかどって成績が良くなるでしょう。

しかし、そのように何の疑問も持たずに素直に勉強する態度は、果たして本当に「頭が良い」と言えるでしょうか?いや逆に考えれば、「なぜ勉強しなければならないのか?」と言う疑問につまずいて、勉強ができずに成績が下がってしまった人を「頭が悪い」と言えるのか?と言うことです。

何にしても疑問を持って考えようとすることは大事です。しかしせっかく良い疑問を持ったのに、適切な答えが得られないまま考えがストップし、学校の勉強ができなくなって成績が落ちてしまっては「本末転倒」と言うことになってしまいます。

実は僕も子どもの頃は「なぜ勉強しなければならないのか?」と言う疑問に漠然と囚われ続けていて、学校の成績はあまり良い方ではなかった。しかし大人になったら急に勉強することが面白くなって、その必要性もだんだんと理解できるようになったのです。

 

実はどんなに勉強嫌いな子供でも、その子が普通に日本語を喋っているのであれば、実はもう大変な「勉強」をすでにしているのです。人間は誰でも、何の知識もなく、言葉もしゃべれない「赤ん坊」として産まれてきます。

そして赤ん坊は成長するに従い、親をはじめとする周囲の大人がしゃべっている言葉を学びます。皆さんはどうやって自分が日本語が喋れるようになったのか、どうやって勉強してきたのか覚えていますか?不思議なことに、誰もがそんな自覚もないまま、いつのまにか日本語が喋れるようになっているのです。

人間の子供は一般的に四歳くらいで大人と同じように言葉が喋れるようになると言われてますが、大人に「勉強しなさい」と言われるまでもなく、人間の子供は実に一生懸命に、主体的に言葉の勉強をするのです。