アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

才能と自己評価

●才能とは何でしょう?人は容易に自分の事は知り得ず、才能もまた同じです。故に才能のある人は自分にいかなる才能があるのかを追求し続け、凡人は自分の才能を低く見積もりそれ以上に追求することをしません。 つまり多くの場合、各自の才能の追求は、教育…

第22回芸術分析塾ラカン 8月02日(土)予告

第22回芸術分析塾ラカン 8月02日(土)予告 【塾の紹介】 ほとんどの芸術作品は、自分勝手に見ても、じつは何もわからないものです。 芸術作品を正確に鑑賞するには、独特の技術と正確な歴史知識が必要です。 人間の脳を飛躍させるためには、石の上にも3年で…

創造と認識

あらためて気づいたのですが、自分が間違っていたのは「ものを作ろうとしてた」事です。作品だけではなく理論についてもそうです。「ものを作る」とはゴミを作ることでしかありません。真に創造的なのは認識しようとする事です。自分はものを作りながら多少…

敗戦後遺症と自己評価

●日本人の多くが自分の能力を実際より低く見積もって、各自の才能を封印しています。これは敗戦国民の特徴です。 他国のデータは持ってませんが、少なくとも自分の中に知らぬ間に「敗戦国民」としての精神が染み込み、自分にある種の制限が掛かっていること…

人間の歴史と生物の歴史

私たちは、人間の歴史と、生物の歴史と、二つの歴史を生きています。 私たちは敗戦国民です。全員が負け組です。このことに向き合わなければ、さらに負け続けることになります。

「科学は呪術の延長にある」とだいぶ以前に言ったら科学系の人から「そんなことはない」と言われたのですが、科学はいかに理性的で精緻な思考を積み上げようとも、その「動機」において呪術的で野蛮なものを抱えているのです。そもそも「便利」に向かうこと…

第21回芸術分析塾ラカン 7月26日(土)予告

*「芸術分析塾ラカン」共通告知です。 第21回芸術分析塾ラカン 7月26日(土)予告

人間と野生動物

ボノボ〔ピグミーチンパンジー〕の驚く能力! - YouTube ボノボという類人猿は野生状態では言語は使いませんが、飼育し人間と一緒に生活することで、言語を覚えさせることができます。しかしどのボノボにも言語を教えることは出来ず個体差があります。一方、…

伝統と旧い人

●頭が旧い人は他人の話を聞きません。例えば「芸術は新しくなければならない」と主張しながら伝統に回帰することの重要性に耳を貸さない人は頭が旧いのです。新しいようで本質的に旧い作品はいくらでもあります。なぜなら人は生物学的に根拠を持つ古さを抱え…

言語と名前

自分は自分の人生の主人公でしょうか?映画の主人公は物語の中で、自分が沢山の観客に見られていることを知りません。そして映画の観客は、映画の主人公が知り得ない多くのことを知っています。つまり自分が人生の主人公である限り、決して知るこの出来ない…

結果と想像界

●お金とは何でしょうか?お金の機能は一つに、人々の野生性の制御があります。お金によって、人々の野生性が制御され、現代文明が保たれています。 ●生物学的に臆病は身を守るのに役立ちますが、過剰防衛は身を滅ぼします。 No Country for Old Men - AWESOM…

役者と素顔

人生は映画の様なもので、映画は人生の様なものです。映画の主人公に感情移入し、物語に埋没するのは子供の観方です。人生も同様で自分自身に感情移入し、自分の物語に埋没して生きる人は子供です。大人は映画を観ながら、例えば監督その人に対峙します。人…

デュパン対ホームズ

エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人事件』(青空文庫)を読み終えました。書き出しが精神分析の専門書みたいで、しかもフロイトより早いのに驚きます。 推理小説と精神分析は極めて類似性があり、ラカンが『盗まれた手紙』を取り上げた理由もそこにありま…

7月19日のお知らせ

*芸術分析塾ラカン」blogとの共通告知です。 第20回芸術分析塾ラカン 7月19日(土)予告

言葉と順番

「諦める」という言葉の語源は「明らかにする」ことでした。究極の諦めは「悟り」であり「解脱」であり、ブッダが説いた「心の安らぎ」です。 自分についてのなにものにも執著する必要はありません。なぜなら自分とは自動機械に過ぎないからです。自分で考え…

7月12日(土)のお知らせ

*彦坂尚嘉さんによる共通告知です。彦坂塾+糸崎公朗主催・非人称芸術博士課程 芸術的知性とは何か? 知性には、2種類があります。 一つは上座仏教的な知性です。 分かりやすく言えば、真剣に探求する態度です。 もう一つは、大乗仏教的な知性です。 それ…

臆病者と合理性

クオリティより速さを優先すれば必ずクオリティは上がります。 冷静な構造分析が一番の近道です。 合理性とは勇気です。臆病者は無駄ばかりします。 清水の舞台から飛び降りる勇気が合理性を生みます。あらゆる非合理の源は臆病であり、臆病は膨大な無駄を生…

構築と爆発

芸術をつくるのはとても難しい。あまりの難しさに、全てを爆発してしまいたくなります。 芸術は爆発だ!と、岡本太郎は言いました。爆発して残るのは瓦礫です。 構築は難しいのです。合理的に積み上げたつもりでも、実際にはバランスを外して崩れ落ちること…

中央と地方では画前とした格差が存在します。日本国内の話ではありません。世界の中での話です。日本は世界の中では地方に位置します。 《象徴界》とは何でしょうか?それは一つには痩我慢です。福澤諭吉の『痩我慢の説』です。iPhoneの青空文庫アプリで読ん…

個人と平和

平和とは個人的な心の安らぎです。世界平和など大層な理念を掲げても個人の力では何もできません。何もできない自分に心を乱しどうして世界平和が実現できるのか?自分に実現できるのは個人的な平和だけ、一人一人がそれを実現すれば世界平和は訪れます。250…

他者とは環境である

●芸術には特有の言語があります。一方では「言語なんか関係ない」という芸術家もいます。正しいのはどちらでしょうか?あるいはどちらも正しいのでしょうか?芸術にとって「正さと」は何でしょうか? ●自分はなぜ宗教に興味を持つようになったのか?それは「…

大乗仏教と「大丈夫っ教」

●あなたは神を信じますか?神を信じることだけが宗教なのではありません。宗教は、その人の見方、感じ方、価値観、判断などあらゆるものを規定します。日本人の行動パターンは『法華経』によって規定されています。多くの人は法華経を読まずともその内容を知…

真実と擬態

芸術は精神の産物です。偽りの芸術は偽りの精神から生じます。 「芸術はきれいであってはならない」と言うのは間違いです。芸術は、きれいであっても、そうでなくとも構わないのです。「芸術」と「芸術のポーズ」との違いとは何でしょうか? 嘘つきは人々に…

相違と義務

私たち人間はお互い驚くほど違っています。全く違う人間同士が、お互いに支え合っています。Aさんが絶対にやりたくない仕事を、Bさんはやりがいを持って引き受けます。Bさんがやりたくない仕事に、Aさんは生きがいと義務を見出します。お互い引け目を感ずる…

7月4日(金)のお知らせ

*彦坂尚嘉さんによる共通告知です。彦坂塾+糸崎公朗主催・非人称芸術博士課程 芸術的知性とは何か? 彦坂尚嘉と糸崎公朗が、探求する芸術の構造の不思議。それは同時に生物史に根拠を持つ深構造を示している。 形式化された大学教育は、もはや真実の探求を…

軍隊と武装

人間は誰でも武装しています。軍隊を組織しています。暴力を保有しています。そうでなければ、どうして生きていけるでしょうか?人間は他の生物を殺して食べる恐ろしい生き物です。そのために人体の細胞は軍隊の如く組織化されています。 多くの人が自分の暴…

欲望と野蛮

理性を前提とした野蛮が存在します。「真性の野蛮」と「理性を前提とした野蛮」とがあります。人の理性は寿命により限定付られており、そのために野蛮へと回帰する力が生じるのです。 近代は理性によって生じたのではなく、野蛮と理性とが結び付き近代が生じ…