アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2018-01-01から1年間の記事一覧

ハンムラビ法典と伊東乾批判

アエラの記事ですが読んでる途中、2ページ目に下記の記述があって「あれっ⁈」と思ったのですが、 「残された時間を精一杯生きる」と、落ち着いた表情で語る豊田君と、私はブロックチェーンや暗号の数理を考え、エジプト式分数を一緒に計算し、古代ハンムラビ…

Facebookと哲学カフェ

「哲学カフェ」って言葉、最近目にするようになって何だろう?と思って調べてみたら、フランスの哲学者マルク・ソーテさんが1990年代に始めて、それが世界各地に広まったのですね。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/マルク・ソーテ 広まったのは、マルク・…

なぜ理系のエリートたちがオウムに入信したのか?

先日死刑が執行された元幹部をはじめ、理系のエリートたちがなぜオウムに入信し、凶悪犯罪に手を染めたのか?という疑問についてです。 これは、各自のウィキペディアを見て確認できるのですが、下記にオウムの科学系の元幹部、村井秀夫、遠藤誠一、土谷正実…

洗脳はメイドインチャイナ

「洗脳」についてあらためて調べてみたら、この言葉を最初に使ったのは朝鮮戦争時代の中国共産党で、捕虜となったアメリカ軍兵士に共産主義を信奉するよう「洗脳」を施していたとのことで、この言葉が意外に新しいのと、メイドインチャイナであることがちょ…

洗脳のテクニック

私は特に「洗脳」の分野に詳しいわけではないのですが、しかしつい先日、その「洗脳のテクニック」の一端を垣間見る経験をしたのでした。 それはもうブロックしてしまった、私のFacebookコメント欄に出現した「荒らし氏」ですが、どうも私に「洗脳のテクニッ…

常識と支配

常識とは何か?哲学をやって分かることは、人は面白いほどに常識に捕らわれる。ごきぶりホイホイのネバネバした粘液に捕らえられているにもかかわらず、「私はこの家に住んでいる」と言い張る、常識に捕らわれた人はそのようなものである。 デスモンド・モリ…

オウム事件の死刑執行について

www.sankei.com ついに麻原彰晃とオウム幹部6名の死刑執行だそうです。私がみたところでは、日本という国家の中に、オウムという小国家が生まれて、それが転覆を図ったというものです。そしてオウムとは、ある意味で日本のいう国を映し出す「凸面鏡」だとも…

短絡と認識

ネルソングッドマン『芸術の言語』によると、絵画は、つまりは写真は、対象物の再現ではなく、対象物への「指示」である。何も写ってない写真とはなんの指示もない写真であり、だからこそ「芸術」と誤解されるのである。 確かに人間がその肉眼で現実を見ると…

イデオロギーとウィルス感染

www.youtube.com 相変わらず冷戦のオベンキョーで見てましたが、だんだん分かってきたのは、イデオロギーとはウィルスのようなもので、人はウィルスに感染するように、集団的にイデオロギーに染まるのではないか?という事です。 これは福沢諭吉が述べていた…

ムッソリーニをコピーしたヒトラー

www.youtube.com youtubeで冷戦の番組を見終わったら関連動画で出てきたのですが、20世紀の独裁者、ムッソリーニ、ヒトラー、スターリン、の番組です。 これはテレビ画面をビデオカメラで撮った映像のようですが、これだとNHKからお目こぼしがあるのか…? と…

共感性・再現性・創造性

yuiga-k.hatenablog.com Facebookで知った記事だが、これがスゴイのは「天才は創造性を目指し、秀才は再現性を目指し、凡人は共感性を目指す」と気質によってその目指すところの違いを明らかにした点で、その意味でこの三者に本質的な「優劣」は存在しない。…

人間と真実

ウィリアム・ジェイムズ『プラグマティズム』を読んでいるが、「事実は移り変わる」という「事実」が存在する。すなわち、かつて私にとって「非人称芸術」と紛れもなく「事実」であったが、今やさまざまな状況証拠からそれが「事実ではない」と認められるよ…

ヒトラーを生み出したワイマール憲法

https://www.y-history.net/appendix/wh1601-075_1.html色々調べてたら、現在のドイツの「ボン基本法」とそれ以前の「ワイマール憲法」との違いを分かりやすく解説した記事があって、なかなか興味深いです。 1919年ドイツ共和国(ワイマール共和国)で制…

芸術とゲーム

ゲームには、ゲームの内部と外部が存在する。人はなぜゲームを設定するか?と言えば、人はゲームの内部で「最強」になれるからである。あるいはゲームの内部において誰が「最強」なのかを決定することができる。 ゲームには、「新しいゲームを作る」というメ…

戦争罪悪感プログラム

ウィキペディアの「連合軍占領下の日本」の関連項目から、この時代にGHQによる「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と言うのがあったのを初めて知りました。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラ…

子供はなぜ勉強しなければならないのか・3

子供はなぜ勉強しなければならないのか?と言う問いの一方には「勉強が嫌い」と言う思いがあるのですが、ぼくも子どもの頃は勉強が好きな方ではなかったのです。ところが子供の頃、そうやってイヤイヤながら勉強した事が大人になってからかなり役立っている…

子供はなぜ勉強しなければならないのか・2

なぜ勉強しなければならないのか?「なぜ○○なのか?」「○○とは何か?」と言う問いの答えを見つけるには「歴史」を遡って考えるのが一つの方法です。それで個人の歴史を遡ると、どれだけ勉強が苦手な子供でも、日本語が喋れる限り「日本語を習得した」という…

宇宙観と理論

議論が成り立つ条件とは何か? いくつかあるでしょうが、今ちょっと読んでるウィリアム・ジェイムズ『プラグマティズム』冒頭に記された考えを借りれば「宇宙観の一致」がひとつ大きいとではないかと思います。 人間は人それぞれに「宇宙観」を持っていて、…

子供はなぜ勉強しなければならないのか・1

子供はなぜ勉強しなければならないのか?その理由はいくつか考えられますが、まず一つは「なぜ勉強しなければならないのか?」などと言う余計な疑問を持たないことです。 親や先生から「勉強しなさい」と言われ、「子供は勉強するもんだ」などと言われ、その…

ナチスと中二病

ナチスのホロコーストについて改めて調べようと思ったら、関連項目の「T4作戦」について読み耽ってしまったのですが、ふと気付いたのは、これは「中二病」ではないかと言うことです。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/T4作戦 「T4作戦」とは、優れた民族を…

大衆と淘汰

オルテガによると大衆とは自ら能力を高めるための努力をしない人を指す。なぜそのような人が大量に存在するのか?原始時代の人間は実はエリート集団で無能者は淘汰される。ところが文明時代になって淘汰されるべき無能者でも生き延びられるようにシステムが…

写実と愚直

ネルソン・グッドマン『芸術の言語』という本を読んでいるが、これによると写実絵画は実物の再現ではない。と言うことは、写真も実物の再現ではない、と言うことになる。少なくともアフォーダンス理論によれば、写真は人間の視覚の再現ではなく、写真と人間…

ガッツさんにもわかる哲学

www.nhk.or.jp NHKに子供むけの哲学番組があり、ネットでも視聴できます。哲学を語るウサギの声がガッツ石松で、あのガッツさんでも分かる哲学というところに驚きがあります。監修は立教大学の河野哲也教授で「哲学カフェ」を主宰されている方です。大人が見…

オルテガ『大衆の反逆』抜き書き

支配とは権威の正常な行使である。それはつねに世論に支えられているものでありこの事実は今日も一万年前も、イギリス人の場合もプッシュマンの場合も変わりないのである。いまだかつて、世論以外のものに支えられて支配を行なった者は地球上には一人もいな…

国家革命と自己革命

【自己実現の一歩】心の中に主流として存在しているものを排除する。それはまさに革命である。しかしとにかく革命をして心の底にある自分の実際の感じ方を復権させることである。 自分を受け入れることが自己実現への道。(加藤諦三先生) 自己革命は一度な…

芸術とサブカルチャー

昨夜オン・サンデーズで行われた梅沢和木さんと筒井宏樹さんのトークは非常に面白かったのだが、梅沢さんはアニメやゲームや漫画などの影響を多大に受けていながら、現代アートをはじめとする美術の影響はほとんど受けて来なかった、という点がなかなか興味…

内田樹 検証Blog

www.toibito.com 内田樹先生の文章も、10年くらい前までの一時期は、それこそ片っ端から買って読んでましたが、今読むと色々とヘンな箇所に気づいてしまいますね… 例えばユダヤ教のラビと、キリスト教の神父や牧師を比較されていますが、そもそも新約聖書を…

芸大と学歴

ayaka-tanamura.net 誰かがシェアしていた記事でしたが、元の投稿が誰だかわからなくなって再検索して探し出しました。 最初に見たときは、大手メディアのインタビュー記事かと思ったのですが、改めて確認したら藝大生が本人のブログに書いた記事でした。 な…

www.toibito.com 内田樹先生の文章も、10年くらい前までの一時期は、それこそ片っ端から買って読んでましたが、今読むと色々とヘンな箇所に気づいてしまいますね… 例えばユダヤ教のラビと、キリスト教の神父や牧師を比較されていますが、そもそも新約聖書を…

外山滋比古 検証blog

president.jp かなり酷い内容の記事ですが、まず読書を「知識を詰め込むため」という風に一律に規定するのがおかしい訳です。 例えば小説ですけれども、小説というとは一般的に知識を詰め込むために読むものなのでしょうか? また、哲学のようないわゆる知的…