アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

確定要素と不確定要素

山本七平『ある異常体験者の偏見』を読みながらのメモ。

確定要素 対 不確定要素

精神力 対 強大な武器

欲望のあり方によって、不可避的にはまり込む思考図式が存在する。

人は、自分が受けた本当の苦しみを、そのまま口には出来ない。人は自分の傷口に自分で触れることは出来ない。

日本語では戦争が出来ない。故に、軍隊語なるものが存在した。

言葉そのものを組換えていかなければ戦争は出来ない。学問もまた然り。日常語を使う限り日常の外部に出ることは出来ない。

「判断停止」「ただ見ることだけ」「脳髄焼き付け」

実際に兵器が欠陥品であっても「兵器は欠陥品ではない」と言い張るなら、それを使う兵士に欠陥がある、と言うことになる。

●通俗とは何でしょうか?それは例えば「カレー味のカレー」と言ったような同義反復的なものです。通俗とはトートロジーです。同義反復を重ねながら、あらゆる物事は通俗化してゆきます。たとえば通俗的な現代美術とは、誰が見てもいかにも現代美術と言えるような作品であり、それは「カレー味のカレー」のように同義反復的なのです。