アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

ショッカーは芸術家で、仮面ライダーはオシゴトです

多くの人は、自分の言いたい事だけを言って、その言いたいことが大抵の人同士でだいたい一致して、そしてだいたいうまくいっているのです。それだけに「異なる意見」に対して、対応が厳しくなるのです。

迷信に陥っている人は様々なものを恐れます。合理性とは勇気です!

ショッカーは芸術家で、仮面ライダーはオシゴトです。ショッカーは毎週クリエイティビティを発揮して新怪人を送り出し、仮面ライダーはワンパターンでそれを片付けます。しかも、仮面ライダーは元はと言えばショッカーのパクリなのです。

仮面ライダーはショッカーの怪人を横取りし、自らの「正義のオシゴト」のために使用するのです。一方でショッカーは次々に新怪人を生み出すクリエイティビティを発揮し、そして毎回、仮面ライダーに敗れます。仮面ライダーのような保守主義は、様々な分野で見られるのではないでしょうか?

デジカメの画質は何を目指しているのか?それは「完全な写真」というイデアです。イデア=理想像は技術の進歩のたびに、より完璧なものへと更新されます。先に行くと、そのさらに先が見えてきます。しかし不思議と脇道にそれることはありません。3D写真が主流になり得ないのもそれが原因でしょうか?

直感とは何でしょうか?言葉は何かを指し示します。我々は本来、言葉を介してそれが指し示す「何か」を感知します。しかし我々はしばしば、言葉で示された「何か」を抜きに「言葉」そのものを受け取り、言葉の関係性によって構築された世界を、直感される世界とは独立した形で、創り上げるのです。

アートにおける若者らしさとは、現代においては老人の価値観でしかありません。

老人が若者に「若者らしさ」を押し付けるのです。若者にとって、そんなものはどうでもいいのです!