アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

哲学と才能論

中島義道『哲学の教科書』再読してますが、私は1995年刊行された単行本を読んでます。改めて読むと中島義道先生の「哲学とは何か?」は一種の才能論で、だからこれを読んだ私は自分には哲学は無理だと思ってしまったのです。 

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中島義道先生に私は一時期ずいぶん傾倒してましたが、改めて読むとその哲学観は一種の「才能論」で、面白いことに芸術に於ける才能論がそうであるように、中島義道先生も子供の持つ感性を賛美するのです。

しかし、フッサールを読むとそこには才能論も、まして子供の感性への賛美なぞ、一切書かれていないのです。どちらを信じるかと言えば、私は中島義道より断然フッサールを信じます。フッサールがどれほど難解で理解不能であろうとも、入門書でなく哲学の原著を読む「直接性」に意味があるのです。