アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

辺境と情報

一般に辺境文化はそれが属する文化圏の中心からの情報を求める。(中略)同国人よりも外国人が劣るとする観念はこのように世界的だが縄文時代以前から北西及び西南の方向からの移住者の波が反復して押し寄せた島国日本では逆に外国人を尊敬する観念が形成されていった。#日本反文化の伝統 上林澄雄

つまり!日本人にとって芸術や哲学は、外国(文化圏の中央)からもたらされた「情報」であり、だからこれをみだりに変更する事なく、できるだけ忠実にコピーする事が求められるのです。現代日本の芸術も哲学も実に「情報」なのです。日本の芸術家は情報を描き、日本の哲学者は情報を語ります。

日本人にとっての日本国憲法も、アメリカという文化的中央から辺境である日本にもたらされた「情報」という側面が強いのです。情報伝達者にとって最も大事なことは「情報の保持」です。だから日本人には日本国憲法の内容を吟味した上で改変しようという発想が希薄なのです。それは情報伝達者の発想です。