アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

アリストテレス『形而上学』抜き書き

蓋し「経験は技術を作ったが無経験は偶運を」とポロスの言っている通りである。#アリストテレス 形而上学1-1

 

経験は個々の事柄についての知識であり、技術(理論)は普遍についてであるが、行為(実践)や生成(生産)はすべてまさに個々特殊の事柄に関する事だからである。#アリストテレス 形而上学1-1


経験=個々特殊、理論=普遍、この組み合わせを意識する事が大事です!
 

経験家の方は物事の「そうある」という事「事実」を知っておりはするが、それの「なにゆえに」そうあるかについては知っていない。#アリストテレス 形而上学1-1

 

職人たちはあたかも無生物の多くがするように何かをしはするが、そのするところを知らないでいる。例えば火が燃焼するように。#アリストテレス 形而上学1-1

 

技術の方が経験よりも多く学問(エビステーメー、学的認識)であるとみなされる。蓋し技術家は教え得るが、経験のみの人々は教え得ないからである。#アリストテレス 形而上学1-1

 

確かに感覚は個々特殊の物事については極めて信頼に値する知識である。しかしこれは何事についてもそれの「なにゆえに」そうであるかを語らない。例えば火のなにゆえに熱くあるかを説明しはしないで、ただその熱くあるという「事実」を告げるのみである。#アリストテレス 形而上学1-1
 

 

それ故に最初に常人共通の感覚を超えて或るなんらかの技術を発明した者が世の人々から驚嘆されたのも当然である。#アリストテレス 形而上学1-1

これまでアリストテレスはどうも取っ付きにくく、『形而上学』を二回読み始めて途中で止めてしまってましたが、今日3回目読み始めたら一言一言が心に染みて、涙が出るほど感動的で、素晴らしい‼︎