アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

ものと他者

私の作品「フォトモ」には他者の不在が現れています。他者と向き合う事からの逃避がフォトモには現れている。だから子供からお年寄りまで様々な観客の目を引き寄せるのです。

フォトモとは一面は模型です。模型とは何か?レヴィ=ストロースによると縮小模型とは実物から機能を無くしたものです。つまり模型化すると人は「もの」になります。しかし写真に写る人は、実は縮小模型ではなく、従って「もの化」しないのです。

写真に写る人は、どれだけ小さく写っていようとも、遠近法の中でもとの人の大きさを保っているのであり、縮小模型ではありません。しかし写真を切り抜くとそれは縮小模型になります。