アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

寛容と平和

「世界平和を願う」とは、他人に対して腹を立てないよう、暴力を振るわないようお願いすることですが、そもそも自分自身が日常の些細なことで腹を立て、相手を恨み、暴力を振るわないまでも怒鳴ったりするのです。ですから自分を棚に上げ平和を願ったりせず、他人はともかく自分だけが寛容であればいいのです。

〈現実感〉は増大したり減少したりします。そして現実感が増大した時にこそ、それが〈現象〉である事を観じる必要があります。例えば〈怒り〉ですが、怒りは増大すればするほど〈現実感〉は増大するのです。

寛容とは何かといえば、どんな人間にもできないことが、自分にだけはできるようになる、ということです。

不寛容は現象を現実と取り違えることで生じます。

決定を覆すことはできません。それができると考えるのは偏見によってでしかありません。