アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

群体と超人

「方法」の原点は「統治」にあるのではないでしょうか。自然としての人間の「群れ」を超えた大人数を統治するには、自然としての人間に備わっていない「方法」が必要になるのです。

人間は自然としての「群れ」を超えた大人数に統治された時、自然としての人間を超えた「超人」になると言えます。その意味で文明の力とは、超人の力であるのです。

超人の力とは、超自然の力であり、それは文明的な「方法」によってもたらされます。

「言語」を共有し「群れ」をなして生きる人間はその意味で「群体動物」だと言えます。そして自然としての人間の「群れ」を超えた大人数を統治する文明は「超群体動物」であり、これによって人間は「超人」としての能力を発揮できるようになるのです。

「超群体動物」としての文明の構成員は、それぞれに機能分化しているため、誰もが「超群体」の端末として機能しているわけではなく、原始社会と同様に自然としての「群体」の端末として機能する人々が含まれます。