アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

後悔と孤独

人間の知性が基本的に集合知であり、個人が集合知の端末だとすれば、個人的な精神病とは集合的な病であり、その意味で誰もが孤独ではない。自分の悩みは集合的な悩みであり、自分の躓きは集合的な躓きであり、自分の罪悪は集合的な罪悪であり、自分の孤独は集合的な孤独なのである。

端的言えば、私はもっと若いうちから、もっと言えば子供の頃から、ちゃんと勉強を、真の意味での勉強を積み重ねておけば良かったと後悔しているが、この後悔こそが私個人の後悔ではなく、誰にも共通した集合的な後悔なのである。

なぜなら私が以上のような後悔をするには「理由」があり、その理由はある時代のある地域に特有の理由であり、だから私の後悔は多くの人に共通の後悔だと言えるのだ。