アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

マキャベッリ『君主論』抜き書き1

 

これにつけても、覚えておきたいのは、民衆というものは、頭を撫でるか、消してしまうか、そのどちらかにしなければならないことである。というのは、人はささいな侮辱に対しては復讐しようとするが、大きな侮辱に対しては復讐しえないからである。したがって、人に危害を加えるときは、復讐のおそれがないように行なわなければならない。

 

武装せる予言者はみな勝利を占め、備えのない予言者は滅びる。それは民衆の性質が変わりやすいことにもよる。つまり、民衆にあることを説得するのは容易だが、説得されたままの状態に民衆をいつまでも引きとめておくことはむずかしい。だから、民衆がことばを聞かなくなったら、力をもって信じさせるような対策を講じなければならない。