アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

能力差の有りと無し

仏教の世界観は、人には絶対的な能力差があることを認め、それを輪廻の回数によって説明している。

人には絶対的な能力差が「ない」という側面と、人には絶対的な能力差が「ある」という側面の二面性がある。

ブッダの悩みは、人は修行をすれば誰もが悟りを開けるはずなのに、大半の人々は修行すること自体を嫌がり、楽をしながらも迷いと不安を抱え、そのように人間のあいだに大きな落差が生じることであり、その意思を継いだのちの人々によって、大多数の人々を救うための大乗仏教が成立した、と考えられる。