アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

安心とランキング

人々はなぜこうも安心への志向性が強力なのか?自分の経験を反省しながら考えてみるならば、人は子供の頃から社会においてランク付けされながら生きている。このようなランク付けは便宜的なもので気にしなければいいはずではあるが、実際的にはそうはいかない。

社会になぜランク付けが存在するのか?と言えば、多くの人はその人が優れた人かどうかを見抜く目を持っていないのである。なぜなら優れた人を見抜くには、その人自身がある程度優れていなくては不可能だからである。

しかし多くの人は優れた人になろうという志を持って努力せることを嫌がる、という事実がある。そこで不可避的に社会において優れた人とそうでない人の間での左が生じる。しかしここが矛盾するところであるが、優れた人であろうと努力することに背を向けた人は、優れた人を見抜いて評価する目を持たない。

そこで、社会的ランク付けというものが必要とされるのである。つまり、その人が優れているかどうかを誰もが判断できるように、便宜的な方法によってランク付けを行うのであり、それが学校教育としての経験から始まる社会的なランク付けなのである。