アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

エンジニアリングとブリコラージュ

リバースエンジニアリング(Reverse engineeringから。直訳すれば逆行工学という意味)とは機械を分解したり製品の動作を観察したりソフトウェアの動作を解析するなどして製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図などの仕様やソースコードなどを調査することを指す

以上がリバースエンジニアリングウィキペディアによる説明だが、この場合の「エンジニアリング」をレヴィ=ストロースによる「ブリコラージュ」の対立概念として解釈すると、その応用範囲は格段に広がる。

レヴィ=ストロースによるエンジニアリングとブリコラージュの対立概念は、色々な説明や解釈が可能だろうが、一つにはエンジニアリング=専門家的思考、ブリコラージュ=素人的思考、と解釈することができる。

そしてどの分野に限らずエンジニアリング=専門家的認識とは、本質的にリバースエンジニアリングなのだと言える。例えば料理の専門家である料理人が他人の料理を食べる場合は、自分の専門的知識や経験に照らしながら「この料理はどのように作られているのか?」とリバースエンジニアリング的に認識する。

しかし素人の場合はどんな料理を食べても「美味しい」とか「まずい」とか「好き」とか「嫌い」などの感想は持っても、リバースエンジニアリング的な認識はしない。なぜなら素人は専門的な知識も経験も持ち合わせておらず、料理から逆行して何かを解析するということができないのである。