アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

ヒトラーを生み出したワイマール憲法

https://www.y-history.net/appendix/wh1601-075_1.html

色々調べてたら、現在のドイツの「ボン基本法」とそれ以前の「ワイマール憲法」との違いを分かりやすく解説した記事があって、なかなか興味深いです。

1919年ドイツ共和国(ワイマール共和国)で制定されたワイマール憲法は、当時もっとも先進的な人権規定をもち、もっとも民主主義的な憲法だったはずが、ヒトラー率いるナチスの台頭を許し、1930年代初頭に消滅してしまいます。

その理由は、下記のサイトによると、ワイマール憲法は人間の「性善説」に基づいていたからで、そこにヒトラーは付け入ったのです。

さらにワイマール憲法はそれ以前のビスマルク憲法を引き継ぎ、国民の直接投票で選ばれた大統領に、かつての「皇帝」並みの権限を与え、だからこそヒトラー大統領はワイマール憲法そのものを無効にできたのです。

これに対し、戦後西ドイツで交付された「ボン基本法」はそれ以前の反省から人間の「性悪説」に基づいており、それによって大統領が暴君にならないようなさまざまなセーフティー機能が備わっている。

それはアメリカも同じで、だからトランプ大統領は間違ってもヒトラーにはなれず、そのはご本人もよく承知のはずなのです。

ついでに言えば、扇動者としてのヒトラーは陰湿で暗く、そのような国民の中に潜む「陰湿な感情」を煽り立てて政権を握ったと見ることができます。

対してトランプ大統領は過激ではあるけれど根がポジティブで明るく、そのように国民の感情を煽り立てている。

大統領が明るくければ、国民も明るくなるのは道理だと言えます。