アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

オウム事件の死刑執行について

www.sankei.com

 

ついに麻原彰晃とオウム幹部6名の死刑執行だそうです。私がみたところでは、日本という国家の中に、オウムという小国家が生まれて、それが転覆を図ったというものです。そしてオウムとは、ある意味で日本のいう国を映し出す「凸面鏡」だとも思いました。つまりオウムは異様な集団であった一方で、日本社会の縮図的な側面もあったように感じたのです。
しかしもちろん、日本国が歴史ある「国家」としての骨組みがキチンとしているのに対し、オウム真理教の骨組みは想像界=イメージの産物でしかなく、麻原彰晃もちゃんとした対応ができずに訳の分からない事ばかり言いながら、最後はダンマリを決め込んでいたという事です。もし麻原が、死に際にソクラテスやキリストのような立派な態度を取るなら、状況は変わっていたはずですが、そうしたことが全くできない人に過ぎなかったのです。もっともそんな人でもすぐ死刑にすると伝説化する可能性がありますから、ボロを出させるために死刑を長引かせた、と見ることもできるわけです。ともかく、ようやく一連の事件が、ひと段落ついたわけです。