アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

現実と現象

人が永遠の「今」を生きるということは、未だ何もなし得ない「今」を生きることであり、何かを成し得ることの「決断」を迫られている。

絶えず変化する相対的な目的しか持たない日常生活にとっては、相対的な明証と真理で十分である。#フッサール デカルト省察

現実とは、我々の認識世界にまるで現実であるかのように現象する現象であり、だからこそ我々は現実を現実と認めて現実に従わざるを得ない。

現実は現象に過ぎないからと言って、例えば疾走する車の前に飛び出せば、確実に大怪我するか死んでしまう。しかし究極的に哲学的に考えれば、そうならない可能性はゼロではない。しかしだからと言って、誰もその可能性を試すことはできず、これが現実という現象の現象の仕方なのである。

現実には現実に特有の現象の仕方があり、その他の現象とは区別される。

あらゆる現象のうち、現実と現実でないものは別の現象として区別されなければならない。