アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「人を見る目」と信仰

信仰とは何でしょうか?信仰とは一つには「人を見る目」です。「人を見る目」のない人、あるいは「人を見る目」を養おうとしない人は、信仰するに値しない人を信仰し、あまつさえ自分で自分を信仰します。 「人を見る目」がない人は、言語の恣意性に縛られま…

エキスパートエラー

『人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人』という本を読んでいます。http://www.amazon.co.jp/dp/4796645187 人は一人でいると神の声を聞き、大勢でいると他人の声を聞く。つまり一人でいるときは自分の直感に基づき行動し、大勢で…

始原性と関係性

昔一度読んだきりの新約聖書を改めて読んでますが、キリストは非常に過激な人物で、現在の感覚に照らしても常識に反する事をことごとく言い放つのでドキリとするし、刺激的で面白いです。 現代において聖書を読む意味はなんでしょう?聖書を読めばたちまちキ…

アドルフ・ヒトラーと糸崎公朗

ヒトラーが若かりし頃に描いた絵が競売に掛けられ話題になってますが、あらためて見ると凡庸な写実画で、つまり彼はモダンアートが理解できずその意味で「普通の人」だったのです。そして普通の人の普通の理想を過激に追求したのが、ヒトラーの成した事だと…

原則と原理

何かを表面的に模倣する人は、原則を立て、原則に縛られ、原則からはみ出る事がありません。何かを模倣する人はその原理を知らず、原理の代用に原則を立て、これを守るのです。オリジナルを知る人は原理を知り、原理に従い、時として模倣者の原則を蔑ろにし…

ラカン抜き書き

心理はまさにパロールはそれが嘘であっても心理に呼びかけ心理を引き起こすという事実にのみ基づいています。#ラカン 精神分析の四基本概念 デカルト的確信の主体を私が導入した時私はデカルトにおいて重要な天秤棒の役割をしてあるものを指摘しました。つま…

通俗とコンプレックス

自分のイデオロギーに縛られていると、新しい知識や感覚を取り入れる事ができなくなります。イデオロギーには人を縛る力があります。現象学的判断停止とは、イデオロギーからの開放でもあるのです。 自分の外に出なければ「自分とは何か?」は分からないし、…

イデオロギーと錬金術

構造主義の「構造」はイデオロギーではありません。にも関わらず、これを取り違えている人が存在します。本来的に「構造」は「現象」の一つであり、現象に対する観察と調査によって、現象の内から取り出されます。そして、イデオロギーとは錬金術です。 イデ…

認識と関係

認識とは関係の認識です。関係の認識とは自分という特殊存在と、絶対的基準との関係です。絶対的基準は定規や測りのように現象として存在します。