アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

追求と主張

哲学とは真実の主張ではなく、真実の追求です。ソクラテスが示した通りです。真実の追求こそが善であり、それをしない事自体が悪です。善とは知性であり、悪を行う者はその意味で知性が足りないのです。世の中になぜこれほどまでに悪が蔓延るのか?それだけ知性の足りない頭の悪い人間が存在するのです。

善と悪は簡単に反転し、だからこそ「本当の善とは何か?」を追求する道があるのです。相対主義は越える事が出来るのです。大事なのは誰が信頼に足りるかという「人を見る目」を養うことです。

「人を見る目」がいかに重要かソクラテスとキリストの物語が示しています。どちらも同時代人から「悪人」と見なされ死刑になりましたが、同時に「この人は正しく、善である」と見抜いた人達によりその物語が記述され、現代まで語り継がれてるのです。

善と悪は実に相対的ですがその中で誰が信頼できるのか?取りあえず大昔の偉人は信頼できます。ソクラテスやキリストやブッダや老子孔子など「古典」が書かれ現代にまで生き残ったのには理由があります。古典を読んで現代人と比較する事が大事です。