アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

現実と願望

フロイト『夢判断』読んでいるが、夢判断のためには、自分の見た夢の全てを報告(記録)し、こんな細部は馬鹿馬鹿しいからなどと思い、自分の判断で省略してはならない、とある。しかし現実とは夢のようなものであるなら、自分が今見ている現実を、自分が見…

動物と本能

江ノ島でトビを観察すると、彼らが実に上手に飛ぶのに感心するが、ほとんど羽ばたくことなく、微妙に羽を動かながら気流に乗って悠々と空中停止しているが、餌の食パンを放り投げると一転急降下し、さっと空中キャッチし、それどころか油断すると、パンの袋…

本能と努力

思い返すと「自分には出来ない」と認めた事が出来るようになっている。例えば私は子供の頃から文章を書くのが苦手で、「書く事ができない」と認めたからこそ努力して徐々に書けるようになって来た。ところが「いつかやろう」と思っていることは「やれば出来…

後悔と孤独

人間の知性が基本的に集合知であり、個人が集合知の端末だとすれば、個人的な精神病とは集合的な病であり、その意味で誰もが孤独ではない。自分の悩みは集合的な悩みであり、自分の躓きは集合的な躓きであり、自分の罪悪は集合的な罪悪であり、自分の孤独は…

神と恐ろしさ

人間以外の生物に罪は無い。例えばトラに人が食い殺されたとして、トラの罪を責める人はいない。また蚊が人を刺して痒みを与えたとしても、蚊の罪を問う人もいない。 哲学が困難なこの時にこそ哲学する意味がある。頭が鈍っていて哲学が困難な、哲学から最も…

第183回 芸術分析塾ラカン 2月9日(木) のお知らせ

彦坂尚嘉塾長の下記ブログ記事からの転載です。 18:00から私も写真の授業をします。 http://41jigen.blog12.fc2.com/blog-entry-1874.html ■課外授業 13:00〜●すみだ北斎美術館 鑑賞 昨年11月にオープンした「墨田北斎美術館」を観に行きます。建物の設計は…

人間と罪

自分がどれだけの偉業を成そうとも、自分が偉いわけではないのと同様、自分がどれだけの罪を犯そうとも、自分が悪いわけではない。 自分がどれだけの偉業を成そうとも、それが自分のおかげではないのと同様、自分がどれだけの罪を犯そうとも、それは自分のせ…