アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ブッダとフロイト

『ブッダのことば』(中村元訳/岩波文庫)再読したが、紀元前300年ごろに編纂された最古の仏典は、フロイトとそれを引き継いだラカンの精神分析と極めて内容が似ている。 ブッダは己の精神を「観察しろ」と説いているが、精神とは「欲望」であるとも説いてい…

仏教とファンクラブ

実は昨日、仕事で数年ぶりに浅草の浅草寺に行ったのですが、いま読み返してる最古の仏典『ブッダのことば』と比較して、世界観があまりに違いすぎて「これは何なんだろう?」と考え込んでしまったのでした。 ともかく、浅草寺は日本人はもちろん外国人観光客…

ブッダによるデカルト批判

古代インドの最古の仏典『ブッダのことば(スッタニパータ)』(中村元訳/岩波文庫)を読んでいたら、下記の一節があって驚いたのですが、 ====== 九一六 師(ブッダ)は答えた、「〈われは考えて、有る〉という〈迷わせる不当な思惟〉の根本をすべて制止せよ…

江戸時代に縄文文化はなかった

昨日は上野の東京国立博物館で『縄文展』を観ましたが、縄文文化とはなにか?ということをウィキペディアで確認すると、なんと江戸時代には文化はなかった! どういうことかと言えば、日本の縄文文化は明治になって来日したアメリカの博物学者エドワード・モ…

仏教とメディアリテラシー

仏教、と言ってもいろいろあるのですが、私が最近読み返してるのが『ブッダのことば』で、これは現存する最古の仏典で、キリストが生まれる300年も前に書かれたものです。 仏典とは何か?と言えば、仏教の開祖であるゴーダマ・ブッダは自分で本は書かないで…

麻原彰晃を評価した吉本隆明

吉本隆明は、戦後日本を代表する思想家などと言われてますが、私はこれまで一冊も読んでこなかったのでした。 ところが「吉本隆明が麻原彰晃を擁護していた」ことを小耳に挟み、改めて興味を持ってネット検索してみたのでした。 するとウィキペディアがヒッ…

文明と弱者

news.livedoor.com なかなかに過激な放送がNHKで放映されて、賛否両論のようです。 それで私の意見としましては、まず文明以前の原始時代の人類は、過酷な自然環境の中を生きていて、だから障害者どころか少しでも弱い人間はバタバタと死んで行き、だから人…