アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

4月2日『第160回新宿・彦坂ITOSAKI塾』のお知らせ

他の仕事に追われていて、私からの告知が直前になってしまい申し訳ありません。

明日4月2日開催の『第160回新宿・彦坂ITOSAKI塾』のお知らせです。

詳しくは彦坂尚嘉塾長のブログ記事をご覧下さい。

41jigen.blog12.fc2.com


4時限の18:00~19:30は、彦坂尚嘉先生による『復活:ヤーコブ・ローゼンバーグを読む(4)』と言う授業がありますが、これについてご紹介します。

美術史家のヤーコブ・ローゼンバーグと言う人の『美術の見方-傑作条件-』という本を読みます。
1983年に出版された本ですが、出席者にはコピーをお配りします。
私も一緒に読みながら勉強します。

本書の原題は『QUALITY in ART』で、芸術のクオリティーについて述べられています。
多くの人は(私もそうですが)「自分の好きな作品」はすぐ判断できても、それではどれが「優れた作品」なのかは、そう簡単に判断できません。

この本では本当に優れた巨匠の作品と、同時代の模倣者による作品が、比較掲載されています。
素人目にはほとんど区別の付かない両作品について、一方がどのように優れ、一方がどのように劣っているのかを、わかりやすく解説してくれています。

美術鑑賞の初心者は、美術作品を「イメージ」で見てしまい、そのイメージによって模倣者に騙されてしまうのです。
いっぽうで、真に優れた芸術作品は、単なるイメージを超えた真実性、合理性、総合性を持ち、そのような眼を養うことが、自分の作品製作にも大いに役立つのです。

今回はこの本の中から、西洋美術史の最初の記述者ヴァザルリの部分を読みます。
実はヴァザルリは、後の時代に評価されないアーティストを、間違って評価してしまっています。
実は美術に歴史があるように、「どれが優れた作品なのか?」という美術の評価それ自体にも歴史があって、昔の人は思い込みによっていろいろな間違いをして、歴史を経るごとにそれがより妥当に修正されてきたのです。

つまりは人は誰でも初めは判断を間違えるのですが、勉強して経験を積むことで鑑賞眼を養うことができるのです。

美術に興味のある方はもちろん、「写真」の分野の方にもためになる授業のはずですので、興味のある方はぜひご参加いただければと思います。


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