アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

群体と超人

「方法」の原点は「統治」にあるのではないでしょうか。自然としての人間の「群れ」を超えた大人数を統治するには、自然としての人間に備わっていない「方法」が必要になるのです。 人間は自然としての「群れ」を超えた大人数に統治された時、自然としての人…

イメージと方法

美大時代の私は「他人のマネをしない」「これまでに無い新しい表現」というのを目指したものの、才能が無くて挫折します。しかし今振り返ると「これまでに無い新しい表現」を私は「イメージ」で思い浮かべようとして断念したのでした。イメージによって新し…

還元主義で帰納法

ウィキペディアでマルクスの項目読みかけてますが、まずはめちゃくちゃエリートなのに驚きます(笑) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9 マルクスの唯物史観も改めて読むと独自の考え…

敗戦とフランス革命

現象学的に考えると「自然現象」と言えるものが確かに現象しているのです。一方で、「自然現象ではない現象」が現象しています。このふたつの区別は実に曖昧なものを含んでいます。 自然現象以外の現象とは、一般に人間の仕業による現象を指します。例えば絵…

認識とくじ引き

●現象学の基本は認識批判ですが、逆を言えば人は自然的態度において自分の認識に対し無批判で絶対の自信を持っているのです。 自分の認識に対し無批判であることは、ずいぶんと荒っぽい、粗野な態度であり、だから自然的態度でもあるのです。それは人間の動…

読書と現象学

マイスター・エックハルト(1260頃〜1237)『神の慰めの書』講談社学術文庫、を読んでますが、当然のことながらこれも現象学的に読まななければ現象学を学ぼうとする意味がありません。 現象学とは還元主義ですから、現象学以外の本を読む時に現象学のことを…

現象と現実感

例えば白土三平『忍者武芸帳』で主人公の重太郎は敵に左腕を切り落とされますが、次に登場した時は片手だけで刀を振るい何事もなかったような強さを発揮していたのでした。 つまり健常者が障害を負うとその事の「現実感」が増大しますが、真の意味での剣の達…

寛容と平和

「世界平和を願う」とは、他人に対して腹を立てないよう、暴力を振るわないようお願いすることですが、そもそも自分自身が日常の些細なことで腹を立て、相手を恨み、暴力を振るわないまでも怒鳴ったりするのです。ですから自分を棚に上げ平和を願ったりせず…

占いと認識

認識とは基本的に「占い」と「的中」です。人は誰もが常に占いを立て、的中させたり、外したりしています。あるいは多くの人が自分の占いに自信を持って当たっていると信じ、その実ことごとく外しています。私の占いも外しまくりです。目の前にあるものの良…