アート哲学・糸崎公朗blog3.2

写真家・美術家の糸崎公朗がアートと哲学について語ります

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

上級と下級

日本人は同一情報をできるだけ多くの人と共有したいという欲望を持ちます。日本人には人間の細胞化への欲望があります。社会にとって個々の人間は細胞的な側面がありますが、日本人にはそれが強いのです。そして、人は情報によって、情報の共有によって細胞…

歴史と遠近法

自分の好みに囚われている人は、それによって視界が遮られ、遠近法が狂わされています。 歴史とは遠近法です。幼児にとっては昔から存在する古いものも、最近登場した新しいものも、あらゆるものが「自分にとって新しいもの」として均等に存在します。それは…

嘘と方便

人がいかに恐怖心を持っているか、これが『法華経』では強調されてます。優れたものに対し人は恐怖心を抱き、近づこうとするだけですぐ逃げてしまいます。だから始めは嘘をついて誤魔化しながら、徐々に慣れさせていけば良いと法華経には説かれています。法…

芸術と恐怖心

実に、恐怖症が問題でした。 多くの日本人は哲学恐怖症で、宗教恐怖症で、芸術恐怖症なのです。ですので、出来るだけそれらに近付かないようにし、近付かないためにそれらについて悪口を言うのです。 しかし私の場合は、最近になって哲学恐怖症と、宗教恐怖…

死と想起

以前から常識になっている事だが、生まれてから5年間の経験は人生に決定的な影響を与え、その後の経験はこれに抵抗することなどできない。この人生の初期における諸印象が成熟してからの人生期のすべての影響に抗して、いかに己の存在を主張し続けるか…#フロ…

料理と善意

自分の好み、趣味性は恣意性を基盤にしています。例えば私にはカメラ趣味があって車趣味はないのですが、なぜそうなのか?は恣意的にそうなってしまったとしか言い様がありません。 一方で、私は食べ物に関しては、基本的には好き嫌いがありません。つまり食…

恣意性の超越

恣意性の超越!「鰯の頭も信心から」と言われるとおり、人は恣意性に縛られます。つまり、必然性のない原因により、結果として縛られるのです。このような恣意性から逃れるには「人を見る目」を養うことが重要です。 恣意性から逃れるには「人を見る目」を養…

辺境と情報

一般に辺境文化はそれが属する文化圏の中心からの情報を求める。(中略)同国人よりも外国人が劣るとする観念はこのように世界的だが縄文時代以前から北西及び西南の方向からの移住者の波が反復して押し寄せた島国日本では逆に外国人を尊敬する観念が形成さ…

嫉妬と正しさ

人間は嫉妬深い! 私も例外ではなく嫉妬深のです(笑)人間の嫉妬深さを克服するには、二つの「正しさ」を認める事が、その一つの方法です。 即ち大乗仏教的正しさと、小乗仏教的正しさの違いです。 その相容れない異なる種類「正しさ」の、そのどちらもが「…

冗談とリテラシー

人はなぜ冗談を言うのでしょうか?冗談が通じない人は人殺しだからです。ナンチャッテ\(^o^)/ 冗談が通じない人は人殺しです。いやそれは言い過ぎだとしても、冗談が通じない人はある意味で人殺し予備軍です。ですからアメリカの戦争映画を見ると、兵士は…

フロイト『モーセと一神教』抜き書き

この掟(引用者注:偶像崇拝禁止)は、抽象的と称すべき観念を前にしての感官的知覚蔑視を、感覚性を超越する精神性の勝利を、厳密に言うならば心理学的に必然的な結果のしての欲動の断念を、意味していた。#フロイト モーセと一神教 精神性におけるこのよう…

常識とダイナミズム

フロイト『モーセと一神教』読んでますが、改めて思うのは、学問は非常識的でぶっ飛んでる!と言うことです。別な言い方をすれば、学問は分野を横断するダイナミズムを有しています。常識はダイナミズムを欠いているが為に常識と言われるのです。 幼年時代に…

学問と好み

『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』でフッサールが指摘したのは「哲学をはじめとするヨーロッパの学問が学問になってない!」と言うことでしたが、そうであればヨーロッパのモダンアートも学問ではなく、アメリカ美術も厳密に学問であるのか疑わしく…

ラカン抜き書き

患者の症状は患者に何らかの満足をもたらしてくれるようにできているのです。 #ラカン 精神分析の四基本概念 我々が最大限直面しているのは患者の主張のすべての深い両義性です。何しろ患者の主張はそれ自体二面性を持っていますから。#ラカン 精神分析の四…

忘却と拘束

人は忘れ去ったものに縛られます。忘却が人を拘束します。忘れ去ったものを思い出す事で自由が得られます。忘れ去ったものを思い出すには痛みが伴い、自由を得るには痛みが伴います。

才能論と分からないこと

才能論は、なかなか克服し難いものがあって、克服したと思っても、実際には克服できていないのが才能論なのです。実のところ才能論は100%否定しきれるものではなく、ですから「才能論は100%否定され得る」と言う理念に囚われる事は、才能論に囚われる事と同…

人は一人しかいない

英雄とは彼の父親に向かって勇気を持って反抗して立ち上がり最後には父親に圧倒的な勝利を収めた者である。フロイト「モーセと一神教」 フロイト最後の著作と言われる『モーセと一神教』読んでますが、もしかして人間て「一人」しかいないのでしょうか⁈ そう…